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ピオ・トジーニ社の位置するイタリア、パルマ・ランギラーノは山風と海風が交錯し、 生ハムの生産に最も適した土地と言われます。 生ハム「ピオ・トジーニ」はその風土の利点を最大限に生かして生産されており、 パルマ産生ハムの中でも格別の風味を誇ります。 ![]() △ 風光明媚なランギラーノの丘。アペニン山脈からの風が吹き抜けます。 パルマでも今やほとんどのメーカーが空調設備を利用して熟成を行っていますが、 ピオ・トジーニは熟成庫の窓の開閉による自然の風を使った 伝統的な熟成方法を守りつづけています。 ![]() ![]() △ 自然の風を利用した空調管理。熟成庫に窓がございます。 これにより、空調設備では決して得られない良質のカビが生ハムの表面を被い、 コクのある香りと風味を与えます。 190社近いパルマハムのメーカーのうち、このような熟成方法をとるメーカーは 約10社に過ぎず、その中で日本への輸出を行っているのはピオ・トジーニ社のみです。 生ハムの熟成に最も適した湿度状況をもたらすと言われる中、 地下のカンティーナには、1905年のトジーニ社創業以来同じ乳酸菌が生き続けており、 他の熟成庫では得られない独特の香りを纏わせます。 ![]() △ 地下カンティーナでの熟成 独特の乳酸菌が香りを纏わせます。 < 製造工程 > 1.原料豚をとさつ後、24時間以内に0〜3℃の冷蔵庫に移し、 72時間以上pH6.0以下で保存します。 大腿骨の端の血管をマッサージし、残存血液を除去します。 2. 〜厳しい原料肉の入荷時選別〜 原料肉入荷時の選別基準はモモの大きさ、 皮下脂肪の厚さ(薄くても、厚過ぎても良くない)、サシの入り方、十分なる血抜き、 肉色、肉の固さ、と非常に厳しいです。 この入荷選別の厳しさが同社の生ハムの高品質の大事な要素であります。 基準に合わない原料肉は屠殺場に返却されます。 また、屠殺場には原料肉選別担当が赴き、ピオ・トジーニ社向けの原料肉を 特別に選別します。 その為、原料肉の仕入れは他のハムメーカーと比較し高額となりますが、 適切な原料肉を使用することが可能となります。 ![]() △ 職人による厳しい入荷検品。 3. 整形 余分な脂肪や皮を取り除き、パルマ産生ハム用として認定のP.P.文字が印されます。 ![]() 4. 〜水分を含んだ塩と2回に及ぶ乾燥塩の揉み込み〜 機械と熟練工によって天然の塩が振られ、肉や皮を揉み込みます。 その際、原料肉の皮表面に塩を浸透させる為、 水分を含んだ重量に対し6%相当の塩を揉み込みます。 また、肉表面には乾燥塩を揉み込みますが、 特に骨の周囲に手作業で丹念に揉み込むことが大切です。 ハムをラックに乗せ、温度0〜4℃、湿度70〜85%の部屋で5〜7日間寝かせます。 その後に、エア・ブラシを使用して塩を取り除き、 再度、ハムの重量の6%相当の乾塩で全体を覆うようにして塩漬けします (第二次塩漬け)一回目同様、塩をブラシで落とします。 2回目の乾塩塗布後は、温度0〜4℃、湿度70〜85%の部屋で21日間寝かせます。 ![]() ![]() △ 職人の手による塩づけ パルマ生ハムは完全な自然食品であり、塩以外は一切加えません。 マエストロ・サラトーレと呼ばれる熟練の職人によって正確な量の塩が加えられます。 又、ハムの保存に必要な量の塩だけが吸収されるよう、厳密な熟成管理が行われます。 品質の劣る生ハムでは熟成期間を短縮し生産を早めるために塩分を増やし、 化学保存料を添加することがありますが、パルマ生ハムではそのようなことは 一切行われず、手間と時間をかけて最高の品質を作り出します。 5. 〜乾燥工程〜 ハムを温度1〜5℃、湿度65〜80%の部屋で52〜72日間寝かせます。 水分を抜くための乾燥工程を行います。 ![]() △ 乾燥工程中の生ハム 6. 〜汚れ落しとパテ塗り〜 熟成に入る前に汚れを落とし肉の露出部分にペースト状の脂肪を塗り込み 表面を柔らかくし、脱水作用を促します。 ![]() 7. 〜空調を使用しない窓の開閉による自然熟成〜 生産開始から約3.5ヶ月に及ぶ、塩漬け、血抜き、水分抜きの工程を経た後、 熟成室に移され、原料肉は乾燥段階に入ります。 ピオ・トジーニ社はパルマにあるハムの工場190社のうち、2〜3社のみしか 実践していない昔ながらの伝統的な熟成を行っている生産者の一社であります。 この伝統的な熟成とは、空調設備を使わず、現在もなお窓の開閉による 自然熟成を行うことです。 工場に住み込みの熟成担当の熟練工がおり、その日の温度、湿度によって 窓を開閉します。 熟成庫の温度と湿度を一定に保つ為に窓を開閉しますが、 全てその日、その時間の天候の状況に作用される為、開閉は24時間体制で 監視しております。 なお、数十個に及ぶ窓の開閉は全て手動です。 イタリアにおいても数年間異常気象が続いており、この温度上昇の影響を受けて、 自然乾燥を行っていた他のメーカーの多くは空調機を導入し、 現在、空調機を使わず乾燥させているメーカーはピオ・トジーニ社を含め上記の通り、 2〜3社となったとのこと。 同社も今後何年間空調機を使わず熟成を継続できるか保証できない状況と なって来ておりますが、できる限り空調機を使わない製法に こだわって欲しいことを常々伝え続けております。 熟成庫では、まず、温度15〜20℃、湿度55〜75%の部屋で5〜7日間寝かせます。 その後、温度15〜20℃、湿度65〜80%で、以後2.5ヶ月ごとに湿度を徐々に上げ、 最終的に湿度85%、水分活性0.95に到達するように314日以上かけて熟成させます。 通常は、工程開始から12ヶ月でパルマハム協会の検査を経て、認証バッチを受けますが、 ピオ・トジーニ社では、地下にある密閉した地下蔵に生ハムを移動させ 最終熟成工程に移ります。 これは他では無い工程でありますが、この工程を通し、 ピオ・トジーニ社の製品独特な芳香と甘み、旨みが生成されます。 これは昔から生き続ける、この地下蔵ならではのムッファ(カビ)の活動に よるものであります。 日本向けには7ヶ月間、この地下蔵で熟成させ出荷されます。 なお、他社ではリゼルヴァとして、18ヶ月、24ヶ月等延長熟成して出荷しておりますが、 これは同社の熟成工程と根本的に原料と製造概念が違い、 長期熟成に適した生肉を使用し、長期熟成に適した熟成庫を使用しない限り、 単に乾燥が進み仕上がったハムが塩辛くなるだけであると言われております。 ピオ・トジーニ社では24ヶ月等の延長熟成を行う場合は 原料肉も脂が厚く、大きいものを使用し、熟成日数に合わせた原料の選別と 独自の工程により、常に美味なる商品を生産しております。 ![]() ![]() 8. 〜最終検査・刻印〜 「形」「色」「香り」についてパルマ産の特性を保持しているかを総合審査し、 合格品のみに“パルマ公爵冠”の焼印が2箇所以上に押されます。 最初の塩漬けから最終段階の地下蔵での熟成まで、 一年半以上におよぶ厳密に決められた工程を経て初めて パルマハムとしての品質基準に合うかどうかを決める最終試験を受ける 資格が得られます。 独立機関であるIPQ(パルマハム品質協会。パルマハム協会から独立した 品質検査機関。)のみが、 真正パルマ産生ハムであることの合格認定印として、 真ん中にPARMAの文字の入った5つ星王冠マークを押すことができます。 この烙印は、全ての製造工程が正しく行われたことを認定するものです。 IPQの検査官は、製品の香りを即座に吸収する馬の骨でできた針をハムの5箇所に 刺し込み、(スピラトゥータと呼ばれます)その香りをチェックします。 もしこのテストで何らかの欠陥が見つかれば、そのハムには王冠マークを 押すことができません。 ![]() △ 品質チェック (スピラトゥータ)するニコラ氏 作業期間は通常約400日(日本輸出用)です。 日本への輸入は1996年5月に許可されました。 11. イタリア国内市場向けの骨抜きハム 骨を抜いた後、そのまま丸め圧力を加え紐でしばります。 形に入れた整形は行わず、丸い形となりまする。 LEGATO(ロープ巻きの意)、または英語でカントリースタイルと呼ばれます。 |